最終更新日:2026年8月10日
2026年8月時点のBYD アット3の買取相場は、200万円〜264万円程度が実勢レンジとして見えています。新車価格が440万円(1グレード構成)であることを考えると、リセール率は40〜60%という厳しい水準です。
この相場が形成されている背景には、いくつかの構造的な要因があります。まず、2023年1月の日本発売から3年半が経過した現在も、アット3の中古流通台数は国産コンパクトSUVや欧州車に比べて圧倒的に少ない状態が続いています。流通台数が少ないと業者間での価格形成が難しく、「とりあえず低めにつけておこう」という判断が働きやすくなります。
また、CEV補助金が2026年時点で15万円まで大幅に減額されたことも影響しています。購入時に補助金を受け取ったオーナーは、実質的な取得コストがかさんでいる分、売却時の損失感が大きくなりやすいです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日本発売 | 2023年1月(BYD日本第1号モデル) |
| 新車価格 | 440万円(1グレード) |
| 航続距離 | 485km(WLTCモード) |
| バッテリー保証 | 8年16万km |
| ハンドル | 左ハンドルのみ(右ハンドル設定なし) |
| 車格 | Cセグメントコンパクトクロスオーバー |
| CEV補助金(2026年) | 15万円(大幅減額済み) |
アット3は2023年1月から日本で販売されているため、現在流通している中古車のほとんどは2023〜2024年式です。以下は走行距離と年式を組み合わせた参考相場です。
| 年式 | 走行距離の目安 | 買取相場の目安 |
|---|---|---|
| 2023年式(初期型) | 3万km未満 | 220〜260万円程度 |
| 2023年式(初期型) | 3〜6万km | 200〜230万円程度 |
| 2023年式(初期型) | 6万km超 | 180〜210万円程度 |
| 2024年式 | 3万km未満 | 230〜270万円程度 |
| 2024年式 | 3〜5万km | 210〜245万円程度 |
※上記はあくまで参考値です。業者・査定時期・車両状態によって変動します。
EVの場合、走行距離だけでなくバッテリーの劣化状態(SOH)も査定の重要な要素です。アット3はBYDが誇るブレードバッテリーを搭載しており、劣化しにくいとされていますが、査定業者によってはバッテリー診断ができない場合もあります。
BYD アット3には、国産SUVや一般的な輸入車と異なるアット3特有の査定ポイントが複数あります。これらを事前に把握しておくことで、業者との交渉や業者選びに活かせます。
アット3は日本仕様でも左ハンドルのみの設定です。日本の道路事情では右ハンドルが主流なため、国内転売が難しいと判断した業者が査定を低めに提示するケースがあります。
一方で、中古車の輸出市場(東南アジア・中東・アフリカ等)では左ハンドル車の需要があり、輸出ルートを持つ業者にとってはマイナスにならない場合もあります。査定の差が出やすいポイントなので、複数社比較が特に重要です。
アット3はドアパネルにギター風のデザインを採用するなど、内装が非常に個性的です。この内装デザインについて、査定業者の評価は大きく二分されます。
同じ個体でも業者によって評価が180度変わる要素なので、複数社への依頼が損失を防ぐ最善策となります。
アット3は日本市場でのBYD第1号モデルであり、流通台数が少ないため査定ノウハウが蓄積されていない業者が多数います。「査定基準がまだ確立されていない」ことで、経験値の少ない業者は安全マージンをとって低めの査定を提示することになります。
修復歴がある場合やパーツの交換が必要な場合、BYD専用の補修部品の流通が国産車と比べて限られています。これが業者のリスクと見なされ、修復歴ありの個体や軽微な傷がある個体で減点幅が大きくなるケースがあります。売却前に目立つ傷や凹みを確認しておき、業者に正直に申告した上で査定してもらうと余分なトラブルを防げます。
BYD アット3を購入した際にCEV補助金を受け取った方は、売却タイミングによっては補助金の返還義務が発生する可能性があります。これはアット3固有の問題ではなく、補助金を受け取って電気自動車を購入した場合に共通するルールです。
CEV補助金には、補助金受給後一定期間内に車両を手放した場合の返還規定があります。2026年時点のアット3向け補助金は15万円と大幅に減額されていますが、過去に40万円前後の補助金を受け取った方は特に注意が必要です。
| 保有期間の目安 | 返還の考え方 |
|---|---|
| 1年未満 | 補助金額の大部分を返還する可能性が高い |
| 1〜2年 | 按分による部分返還が求められる可能性がある |
| 2〜4年 | 残存期間に応じた返還義務が残る場合がある |
| 4年以上 | 返還義務が発生しないケースが多い |
※上記は一般的な目安です。受け取った補助金の種類・年度・条件によって異なります。正確な返還額は購入時の補助金書類や、経済産業省の公式情報、または購入販売店に確認してください。
アット3オーナーの売却判断は大きく二択になります。
どちらが有利かはオーナーの状況や市場動向によって異なります。早めに複数業者へ査定を依頼し、現在の相場を把握した上で判断することをおすすめします。
BYD アット3の相場を他のEVモデルと比較することで、相対的なポジションが見えてきます。
| 車種 | 新車価格(参考) | 2026年の中古相場目安 | リセール率の目安 |
|---|---|---|---|
| BYD アット3 | 440万円 | 200〜264万円程度 | 40〜60%程度 |
| BYD ドルフィン | 363〜407万円 | 160〜230万円程度 | 40〜57%程度 |
| テスラ モデルY(RWD) | 499〜559万円 | 230〜320万円程度 | 45〜65%程度 |
| 日産リーフ(40kWh) | 320〜400万円 | 90〜170万円程度 | 25〜50%程度 |
※上記はいずれも参考値です。年式・走行距離・装備・状態によって大きく変動します。
テスラ モデルYは新車価格が高いにもかかわらず、中古相場のリセール率はアット3と同程度またはやや高い水準にあります。テスラはブランド認知度が高く、EV専門業者の査定ノウハウも蓄積されているため、業者間での相場形成がより安定しています。アット3は「BYDとして先駆け」という希少性がある一方で、その希少性がリセールの安定性にはつながっていないのが現状です。
日産リーフは国産EVとして認知度が最も高いモデルの一つですが、リセール率はアット3を下回るケースがあります。バッテリー劣化が早い初期型の影響や、旧型モデルが大量に流通していることが相場を押し下げています。アット3のブレードバッテリーは劣化が少ないとされており、長期保有後の比較では相対的に有利になる可能性があります。
同じBYDブランドのドルフィンと比べると、アット3のほうが新車価格・中古相場ともに高い水準にあります。ドルフィンはBセグメントのコンパクトカーで日本市場での割引販売が多く、リセール率がアット3より低くなる傾向があります。BYD同士で比べると、アット3のほうがリセール面ではやや安定しています。
アット3の売却において、複数社への同時査定依頼は「推奨」ではなく「必須」といえます。その理由は、他のEVモデルと比べて業者間の査定格差が特に大きいからです。
アット3の場合は最低3社以上への同時依頼を強く推奨します。その際、以下の条件をできる限り満たす業者を含めることで、より高い査定額に出会いやすくなります。
前述のCEV補助金の返還義務を踏まえると、アット3の売却タイミングの基本的な考え方は「4年を境界として考える」ことです。4年を超えると返還義務が生じにくくなる一方、4年後の中古相場はさらに下落している可能性もあります。
「3年で手放して補助金の残返還分を払っても、4年保有後より手取りが多い」という判断が合理的なケースもあります。現在の相場を複数業者で確認した上で、数字ベースで判断することをおすすめします。
BYDは日本市場への本格参入を続けており、今後の販売台数が増えるほど中古市場への流入も増加します。中古アット3の供給が増えれば相場が下落する方向に動くため、「BYDがまだ珍しい今」のうちに売却するほうが有利な可能性があります。
前述の通り、アット3の査定は業者によって大きく異なります。BYD専門または輸入EV専門と明示している業者を少なくとも1社含めることで、「わからないから安くつける」業者の査定だけで比較してしまうリスクを避けられます。
アット3の初回車検は購入から3年、以降は2年ごとです。車検切れ前の売却は維持費を節約しながら手放すことができ、また「車検残り期間がある」ことを売りにして高値交渉の材料にもなります。次の車検が近づいてきたタイミングで査定を取り始めることをおすすめします。
BYD正規ディーラーでのメンテナンス履歴が残っている個体は、業者の安心感につながり査定額が高くなるケースがあります。点検記録簿や整備記録を手元に準備しておくことで、査定時のアピールポイントになります。
アット3の個性的な内装は、清潔に保たれている状態で査定に臨むことが特に重要です。ドアパネルの汚れや傷は「個性的なのに管理が雑」という印象を与え、査定に悪影響を与えることがあります。査定前に室内クリーニングを行っておくことをおすすめします。