相続した車を廃車・売却する手続き完全ガイド【名義変更不要なケースも】
親族が亡くなり、遺された車をどうすればよいかわからない方に向けて解説します。普通車は「移転抹消」で名義変更と廃車を1回の手続きで完了でき、軽自動車はさらに簡略化されています。売却・廃車・買取それぞれの選択肢と必要書類を具体的に紹介します。
先にわかる結論
- 普通車は「移転抹消」で名義変更と廃車を1回の手続きで同時に完了できる
- 軽自動車は相続書類が基本不要で手続きがシンプル
- 走行可能な状態なら廃車より売却(買取)のほうが金銭的に有利なことが多い
- 相続発生から15日以内に名義変更・手続きを開始するのが法的義務
- 手続き中の車は任意保険・自賠責が引き継がれないリスクがある
相続した車の処分:3つの選択肢
相続した車の処分方法は主に3つあります。自分の状況に合った選択肢を選びましょう。
| 選択肢 | 向いている状況 | メリット | デメリット |
| ①そのまま乗る(名義変更して使用) | 車が走行可能・相続人が車を必要としている | 費用をかけず活用できる | 名義変更手続きが必要 |
| ②廃車にする | 車が古い・不動車・乗る人がいない | 手間が少ない | 費用がかかる場合あり。金銭的リターンなし |
| ③売却(買取業者に依頼) | 走行可能な状態で金銭的に活用したい | 査定額が受け取れる。廃車費用が不要 | 手続き前の書類準備が必要 |
走行可能な車なら③の売却が最もお得なことが多い
廃車はリサイクル料の返還(数千〜1万円程度)はありますが、手間の割に金銭的メリットは限定的です。走行可能な状態なら、買取業者に売ることで数万〜場合によっては数百万円の収入が得られます。
普通車の廃車手続き:移転抹消の流れ
普通車(登録自動車)を相続後に廃車にする場合、「移転抹消登録」という手続きを使うと名義変更と廃車を1回で完了できます。これにより手続きの二度手間を防げます。
移転抹消とは
移転抹消(いてんまっしょう)とは、亡くなった方の名義のまま廃車にするのではなく、「相続人の名義に移転しながら同時に廃車(抹消)する」手続きです。通常の廃車(永久抹消)より書類が多少増えますが、別途名義変更手続きをする必要がなく、全体の手間は少なくなります。
移転抹消の手続きの流れ(普通車)
- 遺産分割協議を行い、誰が車を相続するか決定する
- 必要書類を準備する(下記チェックリスト参照)
- 管轄の運輸支局または自動車検査登録事務所へ行く
- 移転抹消登録の申請書を記入・提出する
- 完了後、自賠責保険の返還手続きを行う(保険会社へ)
- 自動車重量税の還付申請を行う(車検の残期間があれば)
手続き場所と費用
手続きは居住地(または車の使用本拠地)を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所で行います。手数料は数百円程度ですが、行政書士に依頼する場合は別途代行費用(1〜3万円程度)がかかります。
軽自動車の廃車手続き:普通車より簡単
軽自動車の相続・廃車は普通車より手続きが簡略化されています。
- 遺産分割協議書が不要な場合が多い(軽自動車検査協会が独自の書式で対応)
- 移転抹消に相当する手続きも窓口で対応してもらえる
- 印鑑証明書の要求レベルが普通車より低い
軽自動車の場合は、軽自動車検査協会(陸運局ではない)で手続きを行います。事前に管轄の軽自動車検査協会に電話で確認してから来訪することをおすすめします。
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必要書類チェックリスト(普通車・軽自動車別)
普通車(移転抹消)の必要書類
- 車検証(自動車検査証)※原本
- 死亡した所有者の除籍謄本(戸籍全部事項証明書)
- 相続人全員の戸籍謄本(または遺産分割協議書がある場合はそれを使用)
- 遺産分割協議書(相続人が複数の場合は全員署名・実印押印)
- 相続人(代表者)の印鑑証明書
- 相続人(代表者)の実印
- 自動車税(環境性能割・種別割)関係書類(ある場合)
- 自賠責保険証明書(残期間がある場合)
- ナンバープレート(廃車の場合は返納)
遺産分割協議書が不要なケース
相続人が1人だけの場合や、車の評価額が100万円以下の場合は「遺産分割協議成立申立書」という簡易な書式で代用できる場合があります。運輸支局に事前確認することをおすすめします。
軽自動車の必要書類
- 自動車検査証(車検証)
- 相続関係書類(軽自動車検査協会指定の書式、または戸籍謄本等)
- 相続人の認め印(軽自動車は実印不要のことが多い)
- ナンバープレート(廃車の場合は返納)
書類が揃わない場合の対処法
車検証が紛失している場合は運輸支局で再交付の申請が必要です。また戸籍謄本は市区町村役所で取得できます(手数料:450円/枚程度)。書類の準備が困難な場合は行政書士に代行を依頼することもできます。
相続した車を売却(買取)する場合の手順
相続した車を廃車にせず売却する場合も、基本的に同様の書類が必要になります。ただし買取業者に依頼する場合、業者側がある程度の書類準備を手伝ってくれることも多いです。
相続車の売却手順
- 相続人の間で「売却する」方針を確認(複数相続人がいる場合は合意が必要)
- 買取業者に査定を依頼(車の現状・書類の状況を正直に伝える)
- 査定額が確定したら売却する業者を決定
- 業者の指示に従い書類を準備(相続書類・車検証等)
- 名義変更は業者側が代行することが多い(確認が必要)
- 売却完了・代金を受け取る
複数の相続人がいる場合の注意点
相続人が複数いる場合、車の売却益は法定相続分に従って分配する必要があります。一人が勝手に売却して代金を独占すると、他の相続人から遺産分割調停を申し立てられる可能性があります。事前に全員で合意しておきましょう。
廃車費用と売却収入の比較
| 処分方法 | 費用・収入 | 手続き難易度 | おすすめ状況 |
| 自走廃車(普通車) | ±0〜数千円程度(リサイクル料返還) | やや高(書類多め) | 走れる古い車 |
| 引き取り廃車(不動車) | 0〜1万円の負担が生じることも | 中 | 不動車・動かせない状態 |
| 廃車買取業者に依頼 | 0〜数万円の収入(業者が無料引き取り) | 低 | 古い車でも手間をかけたくない |
| 一般買取業者に売却 | 数万〜数百万円の収入(状態次第) | 低〜中 | 走行可能な状態の車 |
相続した車を放置するリスク
「手続きが面倒」「まだ決めていない」という理由で、相続した車を放置する方がいますが、複数のリスクがあります。
- 自動車税の継続請求:名義が亡くなった方のままでも、自動車税は住所地に請求が来ることがあります。相続人が支払い義務を引き継ぐ場合があります
- 任意保険が無効になるリスク:被保険者(オーナー)が死亡すると、任意保険の継続手続きが必要です。放置すると保険なしの状態で公道を走ることになる可能性があります
- 駐車場の問題:故人が借りていた駐車場の契約は継続できない場合があります。別途処理が必要です
- 法的な名義変更義務:道路運送車両法では相続後15日以内の名義変更が義務付けられています。違反しても罰則は現状軽微ですが、放置することで問題が複雑化する可能性があります
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よくある質問
名義変更せずに相続した車を廃車にできますか?
普通車は「移転抹消登録」という手続きを使うことで、名義変更と廃車を1回の手続きで同時に完了できます。厳密には名義変更(移転)と廃車(抹消)を同時に行う形です。軽自動車はさらに手続きが簡略化されています。
相続した車の売却益に税金はかかりますか?
通常の生活用動産(一般的な乗用車)の売却は非課税になることが多いです。ただし事業用車両や高価な車の場合は課税対象になる可能性があり、詳細は税理士や税務署に確認することをおすすめします。また相続した車自体の価値は相続税の計算に含まれます。
相続人が複数いる場合、誰が手続きをするのですか?
相続人全員で遺産分割協議を行い、誰が車を取得するか決定します。廃車・売却を選択した場合も、全員の合意のもと代表者が手続きを行うことが一般的です。全員の署名・実印押印が必要な書類がありますので、早めに相続人間での話し合いを行うことをおすすめします。
車検が切れている相続した車はどうすればよいですか?
車検が切れていても廃車手続き(移転抹消)は可能です。車を公道で走らせることはできませんが、手続き自体は問題なく行えます。売却を希望する場合も、車検なしで買取してもらえるケースがあります(業者が仮ナンバーで移動することも)。業者に現状を正直に伝えて相談しましょう。
故人の車に自賠責保険の残期間がある場合どうなりますか?
廃車(抹消)した場合、自賠責保険の残期間に応じた返還金が受け取れます。返還申請は保険会社に対して行います。売却の場合、自賠責保険は車と一緒に引き継がれることが多いですが、詳細は業者と保険会社に確認しましょう。
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carjoho.com 編集部
車の買取・査定に関する情報を専門に扱うメディア。相続した車の処分・廃車手続きに関する情報をもとに、読者が適切な判断ができるよう情報を提供しています。本記事は法的アドバイスを目的とするものではなく、手続きの詳細は運輸支局・税理士等の専門家にご確認ください。